略歴

 1968 年2月16日(金)、作曲家・宮崎尚志、歌手・中野慶子(NHK 初代うたのおねえさん)の次男として東京・目白の聖母病院にて誕生。6歳から5年間に渡ってピアノを習うものの、興味はもっぱら“創作”。最初にその発露となったのはマンガで、読むより書く方に時間を割いていた


 1978年、要町小学校(東京都豊島区/現・要小学校)5年生の時に8mmフィルムでの映画製作に開眼、以後、マンガは一切やめて映画のシナリオ執筆にシフト・チェンジ。そのまま中学〜高校と自主映画製作に没頭する。公にはフィルムメーカーを志していた。だから当時の友人達は全員、コイツは映像作家になるのだと信じて疑わなかった。


 1980年、千川中学校(東京都豊島区)1年生の時、父の所有するシンセサイザーに初めて触れ、突如音楽製作に開眼。日中は映画を撮り続ける傍ら、夜は一人多重録音での音楽製作をする日々を送った。


 1983年に私立・聖学院高等学校に進み、在学中に友人のロックバンドに参加。この時に初めて作曲を試みる。1986年の高校卒業後、すぐに父・宮崎尚志のアシスタントとして都内の主要なレコーディング・スタジオに頻繁に出入りするようになった。だがすぐに一年間の計画で東京・お茶の水の谷口楽器店でフルタイムのアルバイト店員となり、アシスタントを休業。この目的は「最新の電子楽器に囲まれて暮らしてみたい」という欲求に基づくものだったが、月間の店頭販売実績で正社員を凌ぐ事もしばしば。


 1988年、創作意欲の発露を本格的に音楽にチェンジ。音楽の基礎から学ぶことを決意、作曲家・田辺つねや氏(元・武蔵野音楽大学教授)に弟子入り。和声・対位法のみならず、音楽に取り組む姿勢を強力に教授された。同時にピアノを土田京子氏に師事、音楽表現を学ぶ。音楽大学への進学を望んだが、師匠に反対され断念。1990年、22 歳で作曲家としてのプロフェッショナルな活動を開始し、映画製作の経験を生かして、真っ先に放送・映像の方面に進んだ。

 

 演奏活動

 弟・宮崎 歩と共に幾多のアマチュアバンドでステージ経験を積み、1996年にクラシック・オーボエ奏者の堀江和夫と出会い、バンド“Elpis”(エルピス)を結成、教会を中心に、学校、大ホール、屋外など場所を選ばず演奏し、現在も不定期ながら演奏活動を行っている。


 1999 年3月、ネットを利用して2年半の製作期間を経て完成させた、史上初の“サイバースペース産”のゴスペルミュージックCD『UNITY! 〜サイバースペースのクリスチャンたち』(http://ccmc.jp)を全面プロデュース、その直後に旗揚げしたUNITY! Projectの同人となり、2001年には「UNITY! East Concert」を主催、ステージで演奏。その後、小編成の"Units"を複数結成して2005年までライヴ活動を続けた。


 1998年から歌手・中野慶子の「日本のうた・こころのうたコンサート」にサポート・キーボードとして参加。2003年以降は故・宮崎尚志に替わってピアニストを勤めている。


 2000年4月23日に大分県大野町で行われた第51 回全国植樹祭「ミレニアム植樹祭 in 大分」(演出:大林宣彦/音楽:宮崎尚志)に副指揮者及びキーボード奏者として参加、天皇皇后両陛下の御前でソロ演奏を行った(2009年現在までに御前演奏を2度経験している)


 2003年からスタートした、宮崎尚志作品のコンサート・シリーズ「NAOSHISM CONCERT」では編曲及びバンド・マスターを務めた。


 作曲以外の仕事

 1993年、フジテレビの深夜帯「音楽美学」枠の音楽理論番組『音楽の正体』に音楽スタッフとして参加(構成作家自身の手によって1995年に出版)


 翌1994 年、NHK 総合「クローズアップ現代/ミリオンセラーはこうしてうまれる」に音楽理論のアドバイザーとして参加した。


 2003年より「宮中雲子音楽祭・日本の合唱コンクール」(愛媛県西予市三瓶町)・フェスティバル部門の寸評担当として毎年ステージに登場。軽妙なトークとピアノ演奏で人気を博している。


 2006年〜2012年、東京都・豊島区の成人式「としま成人のつどい〜オーケストラによる豊島区音楽成人式」の構成・演出を担当。

 

 一般に聞くことができた主な作品

 TVでは1990年に関東の長寿番組「経営ウィークリー」(テレビ東京・1995年頃に番組終了)、1993年に東京・世田谷区広報番組「風は世田谷」(テレビ東京・1996年頃に番組終了)、関東の競馬ファン向けの「中央競馬ハイライト」(TVK・放送中)、1999年にワイド番組「中央競馬ワイド中継」(TVK・放送中)等の番組テーマ、番組内音楽を作曲・演奏。他にもCMやドキュメンタリー番組を数多く手がけてきている。


 1992年、人形劇団プーク『人形音楽バラエティー・くるみ割り人形』(作曲:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー)の音楽製作を父・宮崎尚志と共同で編曲・演奏。同舞台は現在まで長きに渡り日本各地をツアー公演しており、2008年4月にはオーストラリア・バースで行われたUNIMA(世界人形劇連盟)世界大会で招待作品として上演された。プークの人形舞台では2000年に『ハイジ』の音楽を担当、作曲、録音、音楽プロデュース(演奏はElpis )を手がけた。


 2000年の劇場用アニメ『デジモンアドベンチャー・ぼくらのウォーゲーム!』のエンディング主題歌「作品No.2《春》イ長調〜ぼくらのウォーゲーム!」(歌:AiM )の作曲・編曲。CDシングル並びにデジモン企画アルバム多数に収録され、映画は現在もDVD等で観ることが出来る。


 映画好きは現在も変わらず、その作品がある特定のサウンドを欲していると感じたなら、あらゆる方法論を試みる。故に提示される音楽の幅は広い。主な作品に、仙台を舞台とした映画『コーラスたい♪〜彼女たちのキセキ』(2006年・監督:関顕嗣)、吉本興業“YOSHIMOTO DIRECTORS' 100”の短編映画『草々曲-Sou Sou Soul』(2007年・監督:増本庄一郎)、ウクライナで撮影された映画『クレヴァニ、愛のトンネル』(2015年・監督:今関あきよし)などがある。


 又、自主映画『窓』(2001年/監督:町野弘幸。ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2003・オフシアター部門入選)『楽屋』(2003年/監督:町野弘幸 ShortShorts Film Festival2004入選)『AURORA』(2009年/監督:武田正章 2012年 第2回 東京インディペンデント映像フェスティバル グランプリ受賞)などでも音楽を手がけている。


 2008年5月〜11月にかけて、広島カープ応援歌「それゆけカープ」(作曲:宮崎尚志)を主題にした全5楽章の交響曲『The Carp Symphony(カープ・シンフォニー)』を作曲。渡邊一正指揮・広島交響楽団によって2008年11月24日、広島にて“短縮版”が初演された。


 一般に最も広く開放されている作品は、まさに教会音楽やゴスペル等の“宗教曲”である。2006年までに作曲した多数の聖歌やミサ曲が「日本聖公会・聖歌集」(2006 年発行・聖公会出版)に収録され、礼拝で用いられており、誰でもその譜面を手にすることが出来る。


 尚、1999年同年6月にはCD『UNITY! 〜サイバースペースのクリスチャンたち』の製作とElpis による教会音楽活動が認められ、財団法人AVACO(キリスト教視聴覚センター)より「第10 回・小川清司記念キリスト教視聴覚センター奨励賞」を授与されるという受賞歴がある。

 

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