Album "Music for MAKING MOVIES STATION"(2017)

Composer, performer, producer:
 Peter Michi Miyazaki

©2017 Peter Michi Miyazaki
℗2017 Ushi Mark Records

1. AURORA (2:06)
2. BODY LANGUAGE (2:40)

3. BEER MAN [組曲] (17:14)
(i) テーマ
(ii) ソロ
(iii) ヴァリエーション
(iv) ブルーグラス・テクノ
(v) バラード
(vi) テーマ

4. JUDGEMENT (3:21)
5. CHESS (2:28)
6. 第2幕 (4:04)
7. CHAIN (3:12)

8. TOBIRA [組曲] (4:49)
(i) オープニング
(ii) デッド・リーヴス
(iii) レッドライン

9. 井戸端の蛙 [主題と変奏] (6:04)



〈お詫びと訂正〉
ジャケットの曲目インデックスにミスプリントがございました。「3. BEER MAN [組曲]」の(iv)「ビューグラーズ・テクノ」、正しくは「ブルーグラス・テクノ(Bluegrass Techno)」です。大変申し訳ございません。



まえがき

 MAKING MOVIES STATION(以下、MMS)を主催する武田正章監督と私・宮崎 道は同じ中学の同窓生で、10代はじめからの長い付き合いになります。当時は互いにフィルムメーカーを目指す同志で、純粋に映画製作で繋がった仲でしたが、10代後半に互いに活動の場を映画以外の場にシフトしていく中で、暫くは連絡を取り合わない時期もありました。再びタッグを組んでの映画製作に着手したのが2006年。その時、私は監督でもシナリオライターでもなく、作曲家でした。以前とは全く違う立場での不慣れな共同作業ながら、結果的に10年間で9本の個性的なMMS映画に音楽をつけさせて貰えたのは、貴重な経験値です。監督は私を信頼して限りない自由を与えてくれるため、普段の作曲の仕事ではなかなか出来ない音楽もサウンドも積極的に試せる、絶好の機会となっているのです。

 収録曲には、既にYouTube等で公開しているもの、「TOBIRA」のようにオリジナル・サウンドトラック・アルバムを期間限定フリー・ダウンロードで公開したものも含んでおりますが、全て本コンピレーション・アルバム用にリミックス、又はリマスタリングを施したものです。MAKING MOVIES STATION MOVIE SHOW 2017にてプレゼントされた限定12枚の盤面にはシリアルナンバー(S/N)が打ってありますので、ご確認下さい。おっと言い忘れるところでした、当選おめでとうございます!

※ 公開中のYouTubeリンクを本文中に記しました。画像かテキストをクリックして下さい。



コメンタリー

1. AURORA

 2010年に完成した長編映画『AURORA』はコメディータッチの青春映画。爽やかでユーモラスなこの映画には、リズミカルで爽やかな曲がお似合いですが、魔女という“妖かし”が主人公の物語であるため、妖しい不思議さも盛り込んだメインテーマを作りました。この曲は「エンドタイトル」で、そのメインテーマをガッツリと重厚に奏でます、短いですが。

 「AURORA」の音楽製作は思い出深く、個人的に大変気に入っている音楽です。映画も“東京インディペンデント・フィルム・フェスティバル02”にてグランプリを受賞しています。

※ 2017 Re-Recording version

映画「AURORA」- Soundtrack Clip [2010]


2. BODY LANGUAGE

 2006年に完成した長編映画『BODY LANGUAGE』は、私と武田監督が再びタッグを組むことになった作品でした。この曲は映画のオープニングの「メインタイトル」で、暗黒のギター・ロック。自分の作品以外では滅多に弾かなかったエレキ・ギターやベースを使う勇気を与えてくれたのは、武田監督が音楽を私に全面的に任せてくれたからです。

※ 2017 Re-Recording version

映画「BODY LANGUAGE」- Soundtrack Clip [2006]


3. BEER MAN [組曲]

 2010年完成の『BEER MAN』は、深夜枠のTVドラマにピッタリのコンテンツ。大人数のギャグ・コントを一本の映画にした感じで、音楽は映画の場面場面にピタッと寄り添う“映画音楽”ではなく、少々他人のような距離感の“TV深夜枠”風にしたかったので、ラッシュ(未編集の本編)を少し見せて頂き、使用場面を想定しないまま、この6曲から成る17分間の「BEER MAN組曲」を作りました。武田監督はこの組曲を聞いて、音楽が必要なシーンに、気に入った部分を切り出して使ったという次第です。

 この組曲は、演奏データをバックアップしたデータ・ディスクが破損し、データが失われてしまったので、残っているのはこの音声だけ。リミックス等は叶わなくなったのはチと辛いです。

映画「BEERMAN」 - Soundtrack Clip [2010]


4. JUDGEMENT

 ショートムービーのオムニバス作品「TACTICS」の中の1本で、2015年に完成した法廷劇『JUDGEMENT』。サントラ(音楽)の大部分がアブストラクトなインプロヴィゼーションにオーケストレイションを施したもので、その中で「音楽」として聞けるオープニングの「ジャッジメント・カノン」と、エンドロールの「最後の審判」を2in1にしました。極めてシリアスなサウントラックです。

映画「TACTICS/JUDGEMENT」 - Soundtrack Clip [2015]


5. CHESS

 ショートムービーのオムニバス作品「TACTICS」の中の1本で、2015年の『CHESS』。オンライン・チェス・ゲームの頂上決戦の相手は他の誰でもない自分自身…迷路のような対話劇。音楽はギター中心に組み立て、全編でリズムを強調して、本編が不必要にシリアスになり過ぎないようにしました。映画の音楽とは面白いもので、一定のビートを刻む音楽ばかりを映像に合わせていくと、観た印象が「軽く」なっていくのです。ここではオープニング曲「イントロダクション」とエンドロールの「チェックメイト」の2in1にしました。

 尚、YouTubeには、ここには収録しなかった「CHESS M6-B(チェック)」を公開しています。以下にYouTubeのリンクを貼っておきますので、こちらもお楽しみ下さると幸いです。

映画「TACTICS/CHESS」 - Soundtrack Clip [2015]


6. 第2幕

 2006年の『BODY LANGUAGE』以降、2010年までの間に撮影されながらお蔵入りした作品は数あれど、『第2幕』だけはクランクアップしてあとは仕上げ作業というところで中断、未完成のまま。「報知」、「第2幕」、「TOBIRA」と続く“報知シリーズ”のエピソード2です。哲学的な物語で観る者を考えさせる映画で、完成が待たれます。この曲はその映画のために作った「メインテーマ」です。

映画「第2幕」- Soundtrack Clip [2012]


7. CHAIN

 2015年のショートムービー『CHAIN』。闇社会の陰謀に巻き込まれ、鎖に繋がれた男とオカマの逃走劇。使われている音楽はこの映画のための書き下ろしではなく、全曲ボツになった或る映画のサントラを武田監督が気に入って転用したもの。監督はその音楽を聞きながら、各シーンのカメラアングルやカット割りを考えたそうです。「Opening」、「A Son of The Dark Hero」、「The Dark Hero」の3曲を1つにまとめました。

映画「CHAIN」- Trailer [2015]


8. TOBIRA [組曲]

 2016年に完成した『TOBIRA』。“報知シリーズ”のエピソード3で、武田監督ならではの傑作。音楽は米国陸軍の葬送ラッパとして用いられる旋律「TAPS」をモチーフとしたもので、2016年にユナイテッド・シネマ豊洲で行われた「第3回新人監督映画祭」にて上映されたのを機に、期間限定でオリジナル・サウンドトラック・アルバムを無料ネット配信しました。ここに収録したのはアルバム版とは異なる、「オープニング」、「デッド・リーヴス」、「レッドライン」の3曲を繋いだ新バージョンです。

映画「TOBIRA」 - Soundtrack Clip「Dead Leaves」[2016]


9. 井戸端の蛙 [主題と変奏]

 2013年完成の『井戸端の蛙』は、12人の他人のニアミスな日常を淡々と描く、独自の世界観をもったドラマで、上映される度に観客からの評価は高まる一方です。この「主題と変奏〈Theme and Variations〉」は、オリジナル・サウンドトラックの3曲を繋いで1曲にまとめたものです。映画のメインテーマである冷たく不安なメロディー(「主題」)が変奏されていくに従って、徐々に暖かさのあるメロディーへと発展していく様をお楽しみ下さい。

映画「井戸端の蛙」 - Soundtrack Clip [2013]



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